- 2015年2月5日 18:26
- 任意売却物語
「任意売却しようが競売になろうが、とても払い切れない債務が残ることには変わりがない。どうせ自己破産するしかないんだから、任意売却で多少高く売れたとしても関係ない」
このようにお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それは少々「ツッパった」幼い考え方で、任意売却に取り組むことは決してむだなことではありません。任意売却の場合、引越し代が認められる、引渡し時期が調整しやすいといったメリットがありますが、そのような実利的なメリットだけではありません。それ以上に「気持ち」の問題がとても大きいのです。
任意売却の場合、販売活動を行い、購入希望者が現れる。取引条件について債権者の合意を得て、自らが売買契約を結び、希望にかなう引越し先を見つけて物件を引き渡す・・・という流れになりますが、はじめから競売でいいなどと考えていたらどうなるでしょうか。適切なアドバイスをしてくれる人もなく、相手からなにもかも言われっぱなし、すべてが流されるままになってしまいます。そして、弁護士の背中に隠れることだけが我が身を守ることと信じて、何十万円ものお金を差し出すのでしょう。
任意売却の販売期間中に成約に至らず、競売に移行せざるを得なくなった時、債権者の担当者から「かなり時間が経ってしまいましたし、いつまでもこのままにしておけないので、申しわけないですが、そろそろ競売に着手させていただきます。債務者の方にはこちらからお手紙を差し上げますが、にんすいさんからもよろしくお伝えください」といったていねいなご連絡をいただきます(中には、言葉遣いを知らない失礼な担当者もいますが)。
もちろん、それは社交辞令であって、ほんとうに申しわけないと思っているわけではないでしょうが、このような表現になるのは、債務者と債権者が対等・協同の立場で問題解決にあたっているからです。その感覚に接することで、ご自身の立ち位置というものを多少なりともつかんでいただけるのではないかと思います。
無料相談電話:0120-961-881
- 新しい: 競売手続きの進行が早くなっている
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