- 2015年2月21日 12:28
- 任意売却物語
日本全国からご相談をお受けして任意売却を行っていると、それぞれの地域の慣習や考え方の違いを感じることがしばしばあります。
たとえば、東京の人は警戒心がとても強いのが特徴です。不動産や住宅ローンにまつわることに限らず、あらゆる業種の営業活動が盛んですし、声をかけてくる人はだれもが見知らぬ人ばかりです。何かの刺激を受ければ、反射的に警戒態勢をとるのが東京の人の「習性」です。
妻、あるいはすでに離婚した元妻からご相談いただき、任意売却のことをご説明すると「いい話を聞いた」と思っていただけたのでしょう。そのことが夫(元夫)に伝わり、その方からも「詳しく話を聞きたい」とお電話をいただくことがあります。もめやすい夫婦間の問題でも、聞く耳を持っていただければ、問題解決がぐっと近づきます。
しかし、東京ではなかなかそうはいきません。夫が相談した業者にたいしては妻が、妻が相談した業者にたいしては夫が、警戒して疑ってかかることが少なくありません。そして、もう一方が別の業者に相談を持ちかけたりすると、ますます問題がこじれます。持ちかけられた業者にとっては、夫婦間の問題解決よりも、相手業者を排除して仕事をとることが先決になりますから、まずはそのような話に終始し、夫婦間で「そちらの業者は評判がよくない」「こちらの業者を使わないと協議しない」といった不毛の議論から始まることになります。
このようになってしまった場合、双方がいち早く、そのような議論が不毛であることに気づかなければなりません。感情が先走ってしまい、どうしてもそこから抜け出せない場合、まだ協議を進めることはできません。仮にその点で相手の言い分に折れたとしても、その不合理な決定を承認することにより、以後も合理的な協議は望めません。
双方が冷静になり、ふたりで一方の業者の話をよく聞き、ふたりでもう一方の業者の話もよく聞いたうえで、どちらの業者を選択するかを合意のうえで決めることをお勧めします。任意売却は、離婚する夫婦の最後の共同作業です。感情を横に置き、クールに行いましょう。
無料相談電話:0120-961-881
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